(2005年窓辺の粉粧楼です)
小諸なる 古城のほとり
雲白く遊子悲しむ
緑なす はこべは萌えず
若草も 敷くに由無し
しろがねの衾の岡辺
日に溶けて淡雪流る
あたたかき光はあれど
野に満つる香りもしらず
浅くのみ 春は霞みて
麦の色はつかに青し
旅人の群れはいつか
畠中の道を急ぎぬ
暮れ行けば浅間も見えず
歌哀し佐久の草笛
千曲川いざよふ波の
岸近き宿にのぼりつ
濁り酒濁れる飲みて
草枕しばし慰む
春まだ浅き 信州小諸 古城のほとりに 千曲川は流れる
浅間の山は まだ雪をかぶり 春の陽射しは 淡雪を溶かす
人は皆 人生の旅人であれば 住むところも 仮の宿
佐久の草笛 今は聞こえず
一人飲む春の 濁り酒
旅の途中のしばしの 慰め
濁り酒は 昨年仕込んだ新種の 搾り出す前の酒
このあと 濾して清酒となり 夏まで寝かすのだそうです
人生の旅の途中 青年の 淡き実らぬ初恋の思い出
それは濁り酒や 早春のまだ若きはこべのよう...
「博士の愛した数式」 そのロケ地は
こんなところです
そして
季節も 春浅き から サクラ そして5月まで
...
加古隆さんの 音楽
雪解けの水を集めて流れる小川
枯れ草の茎に付いた 小さな氷の塊
持ち上げると キラリと光って
しずくがおちた
しずくはおちて 流となって
なづなの花咲く里まで
くだっていった
しずくのような 音楽です
~E♭・・。・*・.。・*☆