お馴染みの「
点子ちゃんとアントン」を読みました
これは1999年に 映画にもなっているんですね
知りませんでした
夏に読んだ「エーミールと探偵たち」もとてもテンポのある痛快なお話でした
子供たちが協力し知恵を出し合って泥棒を追跡し見事に悪い大人を逮捕に持ち込んでしまったのでした
さて この点子ちゃんは 都会の真ん中の大きな家に住む実業家の少女
8x3は120÷5 なんて答える10歳の女の子です
お母さんは毎日昼も夜もお出かけ
お買い物お茶会お芝居映画オペラにダンスパーティー
点子ちゃんは 学校の後は養育係りの女と家で過ごすのです
そんな点子ちゃんが 段々顔色が悪くなり なんと
「マッチ売りの少女」になってしまうのです
夜中に街の通りに出て養育係と 物乞いをしています そして
貧しいけれど 病気のお母さんのために夜も働く誠実なアントンとお友達になり
点子ちゃんには考えられない生活を見に行きます
***
この本は 現代の日本人が失っているものを 教えてくれるように思いました
美食 ブランドの品 旅 華やかな音楽会や数々の美しい新しい建物や催し物
毎日がお祭りのように賑やかなテレビ番組
そんな生活に慣れてしまった私達です そして さらに求めていますが
身の回りに起こる犯罪や子供たちの教育現場で
起きていることなど それは 点子ちゃんが[マッチ売りの少女]をしている事と
とても似ています
ケストナーは1931年にこの作品を発表しています
大恐慌のあとの不景気が世界中を覆っていた頃です
倒産失業無職 貧富の格差 社会の弊害が蔓延していました
人が 子供時代に味わい 考えておかなくてはいけないことを 文中で問いかけています
大人になって社会と子供を見つめる余裕があって読むとわかりますが
今の小中学生は この本を読む気持ちになるでしょうか なってほしいものです
せめて
映画やDVDで 楽しんで欲しい
ユーモアとそして ちょっと立ち留まって考え諭してくれる大人の存在
私たち大人の 子供への役割を 見直させてくれるお話です
この本は
「美しの風」のグスタフさんのご紹介です
グスタフさん ありがとう